パン屋さんで「セミドライトマトとカラマタオリーブ入り」と書かれたパンを見かけると、つい手が伸びてしまう。なんだか地中海の風が吹いてくるような、そんな気分になれるからだ。
セミドライトマトは、普通のトマトとは違って水分が程よく抜けていて、甘みと旨みがギュッと凝縮されている。噛むとじんわり広がる濃厚な味わいは、シンプルなパン生地に深みをプラスしてくれる。
そこに加わるのが、ギリシャ産のカラマタオリーブ。独特のアーモンド形と深い紫色が特徴で、他のオリーブよりもジューシーでフルーティーなコクがある。ほんのりワインのような風味があり、セミドライトマトの甘みと絶妙に絡み合う。パンに練り込むことで、噛むたびにオリーブの旨みとトマトの甘酸っぱさが広がり、シンプルなのに奥深い味わいが楽しめる。
ベーカリーやブーランジェリーでは、フォカッチャやカンパーニュ、バゲットにこの二つの食材を組み合わせることが多い。焼きたてのパンにオリーブオイルをちょっとつけて食べれば、それだけで気分は南フランスやギリシャの食卓。ワインやチーズと合わせれば、ちょっと贅沢なひとときが味わえる。
次にパン屋さんに行ったら、ぜひ「セミドライトマトとカラマタオリーブ」の組み合わせを試してみてほしい。ひとくち食べるだけで、地中海の風を感じられるはず。